「パプリカ」 筒井 康隆

ESP

読みどころ満載の傑作小説

単行本が出た時から、この作品が好きです。夢探偵という設定はロマンチックですし、矢継ぎ早に事件・事象が発生し、読書開始後、早々に開催される記者会見が大紛糾するなど、読みどころ満載です。

のちに、今敏監督によりアニメ映画化されましたが、個人的には原作の方が圧倒的に好きです。このアニメ映画も見事に製作されているのは認めますが、最大の問題点としては、重症の分裂症患者の夢を映像として見せられた場合、その映像を見た人間は分裂症に感染することがあるのです(原作小説がそうなっている。精神病が他の人に感染するのです。)が、このアニメ映画を見て、精神病になった人はいませんよね?(多分)。つまり、このアニメ映画の映像には、見た人間を精神病にさせるほどの力はなかった(あったら大変ですが)ので。つまり、この小説は、早い話が映像化不可能なのですよ。見た人間が精神病になってこそ、本来的な映像化の成功と言えるので。

あと、著者の筒井康隆氏は、パプリカ発売(1993年9月20日)、その後、同年9月に断筆宣言します。この断筆宣言の原因は、ネットに書かれていますが、ショートショートSF『無人警察』が角川書店発行の高校国語の教科書に収録されることになった際に、てんかんをもつ人々への差別的な表現があるとして、日本てんかん協会から抗議があったためとされています。

でも、自分はESP能力があるのでわかるのですが、本当の問題点は違います。この「パプリカ」が断筆に至る最大の原因であり、彼にこれ以上、書かせるわけにはいかないと(あるところで)判断されたのです。「無人警察」の差別表現どうのこうのという騒動は、作為的に仕組まれたもので、目くらましです。多分、筒井康隆氏ご本人は、気づいていないでしょうが。ただ、事情があって、これ以上は書けません。

まあ、断筆どうのこうのはおいておいても、この小説は素晴らしいです。アニメ映画で興味を持たれた方も是非原作をお読みください。傑作です。

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