日本経済新聞でさえ、このありさま。
新NISAとか、iDeCoとか、よく聞きますよね。年金財源の不足が懸念される現代日本、個人の自助努力っていうんですか、今までのような、ほぼ貯蓄だけではなく、投資がさかんに推奨されていますよね。TVCMも増えました。
ネット情報より引用。
「新NISAとiDeCoが推奨される理由は以下の通りです:
- 税制優遇: 新NISAは運用益が非課税で、iDeCoも掛金が全額所得控除されるため、長期的な資産形成に有利です。
- 引き出し自由度: 新NISAはいつでも引き出し可能で、iDeCoは原則60歳まで引き出せないため、老後資金の準備に適しています。
- 投資商品の選択肢: 新NISAは株式や投資信託など多様な金融商品に投資でき、iDeCoは定期預金や保険商品も選択可能です。
- 年齢やライフステージに応じた選択: 20代や30代は新NISAを優先し、40代や50代はiDeCoを優先することが推奨されます。」
すると、個人投資家も増えているのかな。再びネット情報。
「日本における個人投資家の人数は、証券口座の保有状況や調査結果に基づいて推定されています。2024年3月末時点で、主要ネット証券5社の証券口座数は4,555万口座に達し、これは日本の総人口の約37%に相当します。
さらに、2025年度の個人株主数は9,198万人で過去最多となりました。ただし、これは延べ人数であり、実際の個人投資家の人数はさらに少ない可能性があります。
日本における個人投資家の増加は、投資の裾野が広がっていることを示しており、今後もこの傾向は続くと考えられています。」(引用ここまで)
そのためもあるのか、日経平均株価などのグラフが毎日のようにTV報道され、株価が大きく上下動するとその理由がもっともらしく報道されるが、これは、真実を含んではいるが、ほぼうそである。証券会社の社員や、証券アナリストなどが、もっともらしい理屈をただ並べただけである。
投資家に、その時に、多量の株をなぜ売り買いしたのかインタビューを全然していないし、特に、超大口投資家の行動であればなおのこと、その真意は測りかねる。だから、報道内容は、ほぼうそだと感じる。根拠薄弱だもの。
個人(あるいは法人か)の意思で売り買いしているに過ぎないものを、その結果である株価を、まるで経済指標であるかのように扱う、これ、マスコミのネタ切れって言うのですかね。それとも、安易って言うのですかね。本当の変動理由は、投資家個人個人に聞かないとわからないのですよ?
もし、証券アナリストが、Aという理由で株価が上昇しましたと言う場合は、その理由が真実であれば、Aの関連株を持った投資家は全員が同じ行動をとったと考えなければならない。でも、現実は、投資家各人はそれぞれの持ち株が何か、どのくらいあるかと、資金・負債の量と、それぞれの知識と思惑などで行動しているのであり、全員が同じ行動をとっているという保証はないし、その確認もしていない。当然、各投資家の行動はバラバラで不統一である。そこにけものみちができた理由を、あとづけで理屈をつけているのが証券アナリストたちであり、そこにけものみちができた理由は本当は誰にもわからない。ただ、わからないと言うと馬鹿に見えるので、頭がよさそうに見せかけるために、(へ)理屈をこねているだけに過ぎない。
「この株価の変動には、総じて言えば、Aという要因が作用したのではないのだろうか?」という言い方ならまだ納得できる。でも、日本経済新聞でさえ・・・。
以下、日本経済新聞より引用する。パンチのない、無味乾燥な長い文章だけど、これ引用者が悪いわけではなくて、もとが悪いのよ。
「東証前引け 日経平均は反落 一時2000円安 原油・金利高でリスク回避
国内株概況 2026年9月11日 12:04
11日午前の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反落した。午前終値は前日比1801円56銭(2.76%)安の6万3469円39銭だった。中東情勢の混乱が長引くなか、世界的に金利上昇の勢いが強まっている。景気や企業業績の下振れにつながるとして投資家がリスク回避姿勢を強めた。人工知能(AI)・半導体関連株を中心に売りが膨らみ、日経平均の下げ幅は一時2000円を超えた。
日本時間11日朝の取引でニューヨーク原油先物相場は一時1バレル104ドル台半ばと5月中旬以来の高値をつけた。米国とイランの戦闘終結は11月の米中間選挙後になるとの観測が浮上するなか、ロイター通信などは10日にイエメンの親イラン武装組織フーシが紅海に面する港湾都市モカを制圧したと報じた。イランが弾道ミサイルの生産を再開したとも伝わっており、中東情勢の緊迫が原油価格を押し上げた。
10日発表された8月の米卸売物価指数(PPI)の伸び率が市場予想を上回るなど米国ではインフレ懸念が根強い。米連邦準備理事会(FRB)の早期利上げも意識され、10日は米長期金利が2023年10月以来の水準に上昇。11日は日本の長期金利も節目の3%に向けて水準を切り上げており、株式市場ではアドテストやソフトバンクグループ(SBG)などAI・半導体関連株が売られて日経平均を下押しした。
もっとも、日経平均の下値を探る動きは鈍かった。外国為替市場での急ピッチな円高進行が一服し、輸出採算の悪化が懸念されていたトヨタなどの自動車株には押し目とみた買いが入った。金利上昇が利ざや改善につながりやすいメガバンクなどの銀行株も底堅く推移し、相場を下支えした。」(引用ここまで)
日経新聞でさえ、コレなのよ、株価変動の理由について、見出しも含めて、この断定口調はおかしいだろ?
「中東情勢の混乱が長引くなか、世界的に金利上昇の勢いが強まっている。景気や企業業績の下振れにつながるとして投資家がリスク回避姿勢を強めた」と書いているが、それはいつものことじゃなくって? なぜ、日経平均の下げ幅が一時2000円を超えたのだ? その明確な理由が書かれていない。つまり、それに関連しそうな小さな要因を、針小棒大に書いて、あたかもそれが要因であるかのように偽装している文章なのだ。
なぜトヨタ株には買いが入ったのかというと、こっちは円高が一服したからだという。あのさ、もともと円安基調じゃない? それを為替介入して強制的に、一時的に円高に持ち上げたのだから、そりゃ、また円安に戻るわな。だから、円安なんていつものことじゃない? 円高が一服したから、トヨタなどの自動車株には買いが入ったって、うそじゃないの? じゃあ、円高が一服して買いが入った企業は、トヨタなどの自動車企業以外にも沢山あるよね? 原油・金利高で投資家がリスク回避姿勢を強めたと書いているのに、ほんの一時的な円高の一服の方が勝った自動車企業があるのは、なぜなのかな? 輸出が多いから? でも、自動車なんて、海外現地生産しているじゃない? よくわからないのだがね。あまりに都合のよすぎる文章だ。
ちなみに、確認のため、経済産業省のグローバル出荷指数(2015年基準)を見てみる。グローバル出荷とは、(国内出荷+海外出荷)のこと。海外出荷には、輸出や日系海外現地法人からの出荷が該当する。このグローバル出荷指数における2022年の製造業出荷海外比率(グローバル出荷のうち、日系海外現地法人からの出荷の割合)を見ると、輸送機械が最も高くて、60.1%になっている。海外現地生産が最も進展しているのが自動車などの輸送機械であり、輸送機械のグローバル出荷のうち、約6割は海外現地法人から出荷されている。同様に、2022年の海外市場比率(グローバル出荷のうち、海外市場に出荷される割合)を見ると、74.1%になっている。

このままだと、輸送機械について、日本国内からの輸出と、海外現地法人から出荷の大きさの差異がよくわからないが、輸送機械はグローバル出荷のうち約6割が海外現地法人から出荷なので、少なくとも日本からの出荷の割合は4割以下である。

そこで、基準年が異なるものの、参考のために、同じ経済産業省の鉱工業出荷内訳表(2020年基準、総合原指数)の輸送機械のWEITを見ると、国内出荷合計が1798.8、国内出荷のうち国内向けが1278.61、国内出荷のうち輸出向けが520.19と、輸出向けは国内出荷の28.9%を占めるにすぎない。つまり、輸送機械はグローバル出荷のうち約6割が海外現地法人から出荷、約1割が国内からの輸出向け出荷、約3割が国内からの国内向け出荷と考えられる。輸送機械は、その大勢が海外現地法人から出荷されているのですよ?
| そういう、もともと円安基調であることに加え、海外現地生産が最も進展している自動車企業株に対して、輸出採算の悪化が懸念されていたとして、ほんの一時的な円高の一服で買いが入るということがそんなにあるのかねえ。信じられないのですが? 理由付けとしては、かなり不適当ではなくって? |
「米国とイランの戦闘終結は11月の米中間選挙後になるとの観測が浮上するなか」という文章もおかしい。「中東情勢の緊迫が原油価格を押し上げた」という文章につなげたいのだろうが、その観測とはどこにいる総勢何人の意見なのか、戦闘終結とする根拠はどこあるのか、そもそも、「11月の米中間選挙後」というのは、1日後も「後」だし、100年後も「後」だ。出所も、根拠も、時期も全然はっきりしない文章をはめこんできている。
「8月の米卸売物価指数(PPI)の伸び率が市場予想を上回るなど米国ではインフレ懸念が根強い」という文章もおかしい。これは、市場にいる米卸売物価指数の予測をしている人間の頭(あるいは腕)が悪いから、予想がはずれたのであり、従ってそれはいつものことであり、そのことをメインに、米国ではインフレ懸念が根強いとは言えない。
これはつまり、日経新聞の記者が、都合のよさそうな言い訳のつまみ食いをしているだけであり、基本的に頭のいい人間の文章ではない。ただ、なんとなく関連しそうな情報を並列に並べただけ、そのため、ただ長いだけの未整理な文章であり、株価変動の直接の根拠といえるほどの内容はほとんど書かれていない。
この文章を書いた人間には、当然、株価の変動の本当の理由は見えていない。こういう、場当たり的な理由付けで満足している人間には、真実は決して見えない。この日経新聞の文章は、言い換えれば、推理小説で、状況証拠だけで犯人を特定するようなものであり、決定的な証拠が抜けたまま犯人捜しをしている文章なのだよ。それなのに「犯人は〇〇です」と言い切れる人間は、ESPか馬鹿か、どちらかですかね。
こういう、株価の変動要因に対する、マスコミのテキトーな理由付けが日常的に行われているという現象は、もし、株価が大幅暴落した際に、マスコミが、本当の理由を言わずに、うその理由で言い抜ける、その予行演習ですかね。そんな気がする。

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