木川田くんは、もっと頭がいいはずだが、この第4巻目は、次の第5巻目の前哨戦だ。
この「桃尻娘シリーズ」第4巻目は、ゲイじゃない磯村くんと、ゲイの木川田くんの短い同棲生活を描いているが、いろいろ起こることは起こるのだが、起こらないといえば何も起こらないので、ずーっと盛り上がりに欠けたまま進行する。
作者が木川田くんと磯村くんを、精神分析してみたいから同居させてみたフシが感じられ、2人の心理がグジグジグジグジと一向に煮え切らない描写が続くので、物足りない。
確か第1巻(高校時代)でこんな会話があった。
「榊原さん、あなた、誰が好きなの? 木川田くん?」
「あの子、オ〇マよ」
「じゃあ、磯村くん?」
「あの子、パアよ」
この第4巻にでてくる木川田くんは、なぜかバカであり、そもそも、彼はゲイとしてかなり場数を踏んでおり、大人をも相手にしてきており、もっと頭がいいはずだ。
それを磯村くんくらいの水準にまで、つまり磯村くんと同居させるために、木川田くんの精神レベルを、作者が勝手に下げてしまっている、それが大きな問題だと思う。
本来はここで、大変な境遇になってしまった木川田くんについて、もっと書くべきことがあるはずだと思う。
「誰よりも遠いところにいると磯村くんの思っていた木川田くんは、でも、その時磯村くんのそばで、磯村くんが置き忘れて来てしまった磯村くん自身の本当の姿を、こっそりと抱きかかえて眠っていたのです。面影の中にしかいない磯村くんは、その時木川田くんの胸の中で、「いつまでもいつまでも友達でいようね」って、そう囁いていました。」
この部分が、この作品のピークだ。結局、わかりきっていたことで、寂しくないですか?
というのが、この第4巻目の自分の感想なのですが、次の第5巻目で急展開を迎えるので、その前哨戦という位置づけなのでしょう。だからこれでいいと思います。


コメント