ジブリの絵コンテ全集は、昔のように、文庫化してほしい。電子化も。
ジブリのDVDって2枚組で(今でもそうなのかな?)、特典DVDの方には絵コンテ画像が収録されていたけど、これに収録されているのは絵コンテの左側(つまり画面側)だけであって、一番重要な、台詞の他、注意点などが詳細に書かれた絵コンテの右側が収録されていない。
それで、ジブリの絵コンテ全集というのは販売されているのだが、辞書みたいに、大きくて分厚くて、1作品3000~4000円くらいするでしょ。置き場所もとるし、価格も高い。
自分が学生の頃、1984年劇場公開の宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」の絵コンテの文庫本が上下巻で出版されていて、1冊800円くらいじゃなかったかな。それを読んで、自分は、宮崎アニメは、絵コンテの右側が肝だってことを知っていた。だから、ジブリの絵コンテ全集は、情報の宝庫だと思うのだが、この価格設定は高すぎると思うのだよね。でも、宮崎駿、高畑勲(高畑は自分で絵コンテは書かない、高畑アニメのコンテは高畑がラフに設計した場面をアニメーターが清書するという形になっているようだ)の手書き文字と絵で説明されると説得力がやはり違うし、意味深な説明も書いてあったりして、すごく研究には役に立つ。
宮崎駿は、透過光処理をバックライト処理と呼ぶのね。それで、最初の方のトルメキアのバカガラスの編隊を、ペジテのガンシップ1機が攻撃するシーンで、背景画の雲が黒く描かれているのはバックライトを見せるためだと書かれている。
1982年劇場公開だったか松本零士のアニメ「1000年女王」は青空と薄絹のような白い雲を背景に、ラーメタル星の戦闘機と、1000年盗賊の戦闘艦ふたつ星が戦闘するが、両者が透過光処理のレーザー砲を使うが、背景画が明るいので、透過光が映えない。
この2つの場面、両方とも、戦闘場面の作画が上手い金田伊功が作画しているのだが、宮崎駿の方が、絵づくりが上手いことが一目瞭然で面白い。
それから、「ナウシカ」は空の青もなかなか特徴的で(この作品は青と赤に意味があるから)、それで、砂漠から空中にメーヴェが飛翔する際に、上昇途中の空から、上空に上がると、BG置き換えと書いてあるので、別の空の背景画に置き換えて撮影しているのがわかる。これ、できあがった作品では全く同じ青に見えるけど、この同じ青色を作り、同じ青で撮影するというのは難しいと思うよ。
絵コンテの文庫本には、さらに、アニメ撮影の基本的な方法とか、バックライトを使用しすぎると画面が平板・平面的になる弊害など、いろいろな注意点も書かれていて、さらにアニメ(と言っていいのか)監督の押井守からの宮崎駿への手紙(のようなもの)も掲載されていて勉強になった。それらは、本書に掲載されているのかどうかはわからない(ごめん、これは買っていないから)。
でも、できれば、ジブリの絵コンテを、もっと安い文庫本や、電子書籍にしてほしいですね。


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