編集の腕は、間違いなく、一流漫画家のものではない。
自分は、このアニメは劇場で観たが、絵の省略の仕方が、原作のいしいひさいちの4コマ漫画レベルに徹底しているので、そのあまりの斬新さに驚愕した。だって、この省略された絵が映画館の大画面に映るのですよ。こんなアニメ、初めて見ました。
これは1999年劇場公開の高畑勲監督の作品で、ジブリのアニメ映画は、この前は1997年劇場公開の宮崎駿監督の「もののけ姫」であり、キャラクターといい、背景美術といい、物語の作り方といい、この2つの作品にはものすごい落差があります。ナイアガラの滝ぐらいの落差があるというか。
でも、「ホーホケキョ となりの山田くん」がシネマコミックで文庫本になったものを見ると、映画館とは違って、絵が小さいので衝撃力はかなり小さくなる。原作も漫画なので、カラー版「となりの山田くん」と言いたくなりそうな本になってはいる。
だがしかし、いしいひさいちの4コマ漫画との差異は、台詞がこの文庫は活字だが、4コマ漫画はいしいひさいちの手書き文字だということで、ここに圧倒的な違いがある。つまり、活字が平板で、うったえてこないのですよね。
この「ホーホケキョ となりの山田くん」を文春ジブリ文庫 シネマコミック、つまり、原作と同じ土壌であるコミックに加工したことによって、いしいひさいちの4コマ漫画にはとうてい及ばない代物であると、簡単にバレてしまった。誰が絵を選んで、誰がコミックに編集しているのでしょうね。その編集の腕は、間違いなく、一流漫画家のものではない。
つまりは、文春ジブリ文庫 シネマコミックは、そういう類いのものなのです。あわれなり。
このシネマコミックでは1冊になっているので、全台詞を収録しているといっても、当然、台詞のない場面中心に簡略化されているのは明白で、研究材料にはあまりならないと思うが、DVD、BDを見るほどの作品ではない、と思ったら、この本ですましてしまう、という手はありますね。



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