川尻善昭監督 アニメ「妖獣都市」 [Blu-ray]

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絵柄としてはいいが、最後が予定調和的

約40年前の作品ですが、画質、音質とも非常によいです。

この作品は当初からエロ描写の扱いにレンタルビデオ店が困っていたようで、最初は「一般もの」扱い、少しして「アダルトもの」扱いになり、その後、気づいたら「一般もの」扱いに戻っていた。一体、誰が、どこで、どういう基準で識別しているのでしょうか? なぜ、判断が揺れ動くのでしょうか? なお、現在はAMAZONでは「一般もの」として扱われています。

内容的には、闇ガードである滝は、魔界と人間界の不可侵条約締結のため、魔界側の闇ガード・麻紀絵と共に、魔道士ジュゼッペ・マイヤートの護衛を命じられ・・・という物語です。

自分は、魔導士マイヤートさんのエロ話が、非常に面白い。思わず笑ってしまう。じいさんだから、遠慮というものがない。だから、麻紀絵が怒るのも当然です。

当時としては作画は最上級でしたが、現在の眼で見るとまあまあかな。あとですね、妖獣の触手の書き方が非常にうまい。

滝が銃を使うと反動で、背中側の壁などが大きく丸くくぼんで亀裂が入るのだが、それを忘れずにきちんと描いている。
麻紀絵は、滝以上に強いが、一切、武器を使わないというところのポイントが高い。

敵が「忌まわしい計画」という、人間(滝)と魔界の存在(麻紀絵)の混血児をつくらせないためには、(すでにこの時には敵はこの計画を察知しているからこそ、滝を誘い出す。)拉致した麻紀絵を、魔界の男どもが集団で犯しているのだから、彼女の中にどんどん出せば(直接的な表現ですいません。でも、ここがポイントなのです。)、すごく有効な妨害手段だと思うのだが、なぜかそうしない。一滴も入れていない。馬鹿じゃないの? せっかくの妨害の機会、最大の妨害の機会なのに、有効活用しないのはおかしい。絵柄と音声がエロいだけで、中身がない。だったら、この麻紀絵の拉致シーン自体が不要だ。

美術監督は男鹿和雄氏だが、本当はもっとうまく書けると思うのですが、うまい絵と標準的な絵があると思います。男鹿氏のこの直後の作品が宮崎駿監督「となりのトトロ」であり、あの緑あふれる自然を描いています。ふり幅がものすごく大きい人で、何でもこなしますね。トトロ製作の際、宮崎監督に「あなたの実力はこの程度ですか?」と言われて、本気で描きなおしたのが、あのものすごい背景画なのだ。本気を出した時と出さない時で、落差が大きい人でもあるのだと思います。

人間の男と魔界の女の混血児のパワーによって、最後、麻紀絵は敵のボスを瞬殺するのは、絵柄としてはいいが、予定調和的で、自分はあまり好きになれません。その(麻紀絵の胎内にいる)混血児には、どういう意味があるのか、どういうパワーがあるのかが全然説明されないまま、それを胎内に宿した彼女が超人的に強くなっているので、少し納得がいかない。

この最後の最後に、正義の味方が、段違いに強くなってしまい、敵のボスを瞬殺するのは、川尻監督の次の作品「魔界都市 新宿」でも同じであり、何か、いつも予定調和的なのですよね。

自分は、性愛そのものに疑問を持っているのだが、滝はかなりの女好きであり、隣に裸の麻紀絵がいたから、好きかどうかではなく、単純に裸の女がいたからやっちゃった、それでできた混血児に過ぎないと思うのだが、それにどこまでの意味があるのか? 本当は、大した意味なんてないのではないのか? と疑っている。この作品ではきれいごとでまとめているが。

余談だが、きれいごとのまま、この2人は結婚するのだろうが、困るのは滝だ。女好きは治らないから、必ず他の女、魔界の女にもひっかかるので、浮気は必然、すると圧倒的に強い妻に瞬殺されるかな(魔界の女の考え方は人間とは違うかもしれないが)。

これは、きれいごとは一切やめて、麻紀絵の私生児にしてもよかったのではないか、と思う。どうせ続編もないし。

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